■■■ profile ■■■
砂原悟(クラヴィコード)
東京芸術大学付属高校を経て、1983年同大学卒業。同大学院在
学中の1985年、ドイツ学術交流会(DAAD)の奨学金を得て渡独。1987年ミュンヘン音楽大学マイスタークラッセを修了し
て帰国。1988年東京芸術大学大学院修了。1993年まで同大学院博士後期課程に在籍した。現在、日本各地で、独奏、室内楽、歌曲伴奏などの演奏活動とともに、
コンクール審査、音楽雑誌「レッスンの友」での執筆活動なども行っている。1984年日本音楽コンクール入選。1987年ポルト市国際ピアノ
コンクール(ポルトガル)入賞。1988年東京芸術大学大学院にてクロイツァー賞受賞。
東邦音楽大学、大学院准教授、東京芸術大学講師。
宮島敏、中山靖子、クラウス・シルデ、小林仁の各氏に師事。
藤枝守(作曲家)
作曲家。1955年生まれ。カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程修了。博士号を取得。作曲を湯浅譲二、モートン・フェルドマンらに師事。合衆国滞在中にハリー・パーチ、ルー・ハリソンに影響されながら、純正調によるあらたな音律の方向を模索。また、コンピュータを援用したパフォーマンスやサウンド・インスタレーションなどを行なっている。近年は、植物の生体データに基づく『植物文様』という作曲シリーズを展開。また、音律の可能性を追究する合奏団「モノフォニ−・コンソート」を組織。CDに≪惑星の民話≫
≪筝組曲〜植物文様≫ ≪The Night Chant≫ ≪Patterns
of Plants≫など。 著作には『響きの考古学』、『響きの生態系』がある。2004年から音楽祭「パシフィック・クロッシング」を務める。2004年9月には《今日は死ぬ
のにもってこいの日》(Fontec)が発売された。現在、九州大学芸術工学部音響設計学科教授。
■クラヴィコードとは・・・
音律楽器であったモノコードに鍵盤機能がついたクラヴィコードは、17〜8世紀のヨーロッパ全土で広く愛用されたといわれている。誰かのために演奏されるのではなく、演奏の練習や作曲の手助けとして重宝がられていたという。タンジェント(金属片)が弦を突き上げるメカニズムによって、ピアノやチェンバロにはない独特の微妙な音のニュアンスが醸し出される。今回の公演で使用される楽器は、1780年代のドイツの楽器製作家フーベルトのクラヴィコードが原形として山野辺暁彦さんが製作したもので、ある同じ弦を異なる鍵盤で鳴らす共有弦タイプに属している。
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