日時:3月17日(金) 開演15:00(開場14:30) / 開演19:00(開場18:30)
会場:アクロス福岡円形ホール
チケット:¥3,500(前売り¥3,000)

「玉垂」は安曇磯良と神功皇后の物語 綾杉るな
海を渡って戦うために神功皇后は志賀島で安曇族の神々を祭り、安曇磯良を待ちました。神楽を奏すると磯良はやって来て、海神の持つ干珠満珠を神功皇后に授けました。
船が対馬を出た時、嵐に遭い、神功皇后は海神に祈り、磯良は命懸けで船を守りました。これを乗り越えた時、二人の心は強い絆で結ばれました。干珠満珠を使って戦いに勝って凱旋すると、大善寺に船を置いて、二人は都に向かいます。
時が経って神功皇后が亡くなると、磯良は干珠満珠を持って高良山で世を治めました。皇后から預かっていた八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と共に、三つの珠が日々世を照らしたことから、高良玉垂宮と呼ばれるようになりました。
やがて年老いた磯良は死期を悟ると籠に乗って大善寺に行き、残していた御座船を調べて燃やさせ、そこに神功皇后を祭りました。磯良が亡くなると、そこは大善寺玉垂宮と呼ばれるようになりました。
こんな二人の物語を万葉集や古事記の歌で綴りました。神語りのひと時をどうぞお楽しみください。
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■舞踊:ボヴェ太郎 Taro BOVE
舞踊家・振付家。空間の〈ゆらぎ〉を知覚し、感応してゆく「聴く」身体をコンセプトに、歴史的建造物や庭園、美術館等、様々な空間で創作を行っている。主な作品に『不在の痕跡』、『余白の辺縁』、『百代の過客』、『CONATUS』等。能の古典曲を題材とした能楽との共演作品、西ジャワの古典歌曲トゥンバン・スンダとの共演他。藤枝守作品『ガムラン曼荼羅』初演(2020年)出演。

■野々下由香里(ソプラノ)
東京藝術大学声楽科首席卒業、同大学院修了。第4回日仏声楽コンクール第1位入賞後、パリ・エコール・ノルマル音楽院に留学。’89年《フィガロの結婚》(ケルビーノ役)でレンヌ歌劇場にデビュー。帰国後は中世から現代まで幅広いレパートリーで活動。鈴木雅明氏率いるBCJのソプラノソリストとして25点を超えるCD録音(仏、独、英のディスク賞受賞)と世界各地でのバッハ音楽祭に参加。またバロックオペラの分野でも多くの聴衆を魅了。その他CDにはフォーレ《小ミサ》(ジャン・フルネ指揮)、「月の光」(レコード芸術誌特選盤)、「愛する歌」(毎日新聞特薦盤)などがある。フランス音楽コンクール(関西)審査員。東京藝術大学古楽科教授。お茶の水女子大学講師。
■石川 高(笙・古代歌謡)
1990年より笙の演奏活動をはじめ、国内、世界中の音楽祭に出演してきた。雅楽団体「伶楽舎(れいがくしゃ)」に所属。笙の独奏者としても、即興演奏など様々な領域で活動を展開する。和光大学、学習院大学、沖縄県立芸術大学にて講義を行い、朝日カルチャーセンター新宿教室で「古代歌謡講座」を担当している。2021年3月には、イタリアのトポロを拠点に開催された24時間ストリーミングフェスティバル ToBeContinued に、2022年8月には、イタリアの世界遺産都市マテーラで行われたファディエシス国際アコーディオンフェスティバル Fadiesis Accordion Festival に参加した。https://aurora-argentea.bandcamp.com/
■中川佳代子(和琴・箏)
高崎芸術短期大学卒業。NHK邦楽技能者育成会卒業。1989年CD「沢井忠夫合奏団の世界」文化庁芸術作品賞受賞。1994年青山音楽賞受賞。1998年文化庁芸術研修員認定。2002年賢順全国箏曲コンクール最高位「賢順賞」受賞。2013年京都市芸術文化協会新人賞受賞。近年、日本最古の弦楽器「和琴」奏者として、2015年現代神樂「甕の音なひ」(企画・作曲:藤枝守)、2016年ジャパンソサエティー主催「現代神樂」NY公演、2018年MFJ音楽祭(NY)に参加。「声」「ウタ」を伴う演奏をメインに現代音楽の初演、即興、平安・鎌倉期の古楽譜の再現演奏など多彩な場面で活動。
■丸田美紀(箏)
‘Natural’に、表現としての箏の音を追求し、その柔軟な感性と適応力で、活動も古典から現代曲の初演、録音、即興等と多岐にわたり、国内外でコラボレーションを展開。沢井忠夫、沢井一恵に師事。高崎短期大学音楽科器楽専攻(箏曲)卒業、さらに特待生として専攻科に学ぶ。NHK邦楽オーデション合格。米国ウエスレアン大学で客員演奏家(‘90〜’92)。平成6年度文化庁芸術研修員。2009年NY カーネギーホールにてテリー・ライリー、クロノス・カルテットと共演。ソロCD「鳥のように」をキングレコードよりリリース。五音階で演奏するポップス集など箏曲編曲楽譜も多数出版。沢井箏曲院教授、沢井忠夫合奏団団員。東京芸術大学邦楽科現代箏曲非常勤講師(2021〜)
■渡辺 融(土笛)
社会福祉法人明日へ向かって 音楽活動ディレクター。九州大学大学院芸術工学府修士課程修了 在学中、古代の土笛と創作楽器の研究を行う。2014年よりインドネシアの打楽器ガムランを法人に導入。2016年、ガムラングループ「Go On」を結成し、障がいがある利用者の方と共に表現やコミュニケーションの可能性を見出しながら、音楽活動を行っている。香椎宮雅楽保存会、福岡ガムラン倶楽部「LOU」に所属。
■綾杉るな
福岡県生まれ。古代史研究家。神社や磐座、遺跡、真鍋大覚が残した古代の星などを研究している。古事記、日本書紀、万葉集の現代語訳に取り組み、日本武尊、神功皇后、斉明天皇、天武天皇などの福岡での足跡をバスハイクや歴史講座、ブログ等を通して紹介している。著書『ガイアの森』(ヒカルランド)、『神功皇后伝承を歩く上下』(不知火書房)。連載『筑紫君磐井をたずねて』(季刊「邪馬台国」)。RKBラジオ「古代の福岡を歩く」出演中。福岡県「『ご来福』しよう」「福岡古代コラム」執筆。ブログ「ひもろぎ逍遥」。
■作曲:藤枝守
カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程修了。博士号(Ph.D.)を取得。作曲を湯浅譲二やモートン・フェルドマンらに師事。植物の電位変化データに基づく《植物文様》シリーズを展開。著書に『[増補]響きの考古学』など。最新のCD《ガムラン曼荼羅》が「レコード芸術」誌の準特選盤。2023年3月にアクロス円形ホールにて現代神楽《玉垂》、同年5月にパラグナ・グループにより東京・自由学園明日館にて《両界ガムラン曼荼羅》の公演を予定。2020年まで九州大学大学院芸術研究院教授。現在、九州大学名誉教授。
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